【2026年版】Cursor 3.0 Agents Window 入門
マルチエージェント並列実行の開き方・使い方・実践ワークフロー
Cursor 3.0で追加されたAgents Windowは、複数AIエージェントをgit worktree隔離環境で並列実行できる専用UI。開き方・タスク分割・/worktreeコマンド連携まで実務ワークフローをゼロから解説。
「Cursor 3.0 にアップデートしたけど、Agents Window ってどこにあるの?」「エージェントを複数動かせると聞いたけど、何がうれしいの?」という疑問を持っているエンジニアは多い。
2026年4月2日にリリースされた Cursor 3.0 の目玉機能が Agents Windowだ。複数の AI エージェントをローカル・git worktree・クラウド・SSH 環境で並列実行できる専用インターフェースで、従来の「1チャット1タスク」という制約を根本から覆す。
この記事では Agents Window の開き方から、エージェントの起動・タスク分割・/worktree コマンドとの組み合わせまで、実務で即使えるワークフローをゼロから解説する。
このガイドの前提条件
- Cursor 3.0 以降がインストールされていること(バージョン確認:
Cursorメニュー →About) - 基本的な Cursor の操作(チャット・コード補完)を使ったことがある
- git の基本概念(ブランチ、コミット)を理解している
Cursor 3.1 以降では Tiled Layout など追加機能も使えるが、このガイドは 3.0 の基本操作から始める。
ステップ 1:Agents Window を開く
Agents Window を開く方法は主に 3 つある。
方法 1:コマンドパレット(推奨)
Cmd+Shift+P(macOS) / Ctrl+Shift+P(Windows/Linux)
コマンドパレットに Agents Window と入力して選択する。
方法 2:メニューバー
View → Agents Window を選択する。
方法 3:キーボードショートカット
Cursor 3.0 以降ではデフォルトのキーバインドが割り当てられている場合がある(設定によって異なる)。
Agents Window を開くと、画面左側もしくは独立したパネルとして表示される。中央には「New Agent」ボタンと、既に起動しているエージェントの一覧が表示される。
ステップ 2:エージェントを起動してタスクを分担する
最初のエージェントを起動する
Agents Window の「+ New Agent」ボタンをクリックすると、新しいエージェントチャットが起動する。通常の Cursor チャットと同じように自然言語でタスクを指示できる。
新しい機能ブランチ `feature/login-refactor` を作って、
src/auth/login.ts のリファクタリングをお願い。
型定義の整理と不要なコメントの削除が主な作業。
エージェントはコードを読み込み、変更の計画を立てて実行を始める。
2 つ目のエージェントを並列起動する
1 つ目のエージェントが動いている間に、再び「+ New Agent」をクリックして別のエージェントを起動できる。
src/api/user.ts のエンドポイントのユニットテストを
Vitest で書いて。カバレッジ 80% 以上を目標に。
これで 2 つのエージェントが同時に動く状態になる。1 人がログイン処理をリファクタリングしている間、もう 1 人がテストを書いてくれるイメージだ。
エージェントのタブ表示とエディタの横並び
各エージェントはタブとして管理される。Agents Window 内でタブを切り替えると、それぞれのエージェントの進捗や出力を確認できる。
さらに、エージェントのチャットペインとエディタを横並びにして表示することもできる。エージェントが編集中のファイルをリアルタイムで見ながら、必要なら追加の指示を出せる。
ステップ 3:/worktree コマンドで git 競合を防ぐ
複数のエージェントが同じリポジトリで作業すると、ファイルの競合が発生しやすい。これを根本的に解決するのが /worktree コマンドだ。
/worktree の基本構文
チャット内で次のように入力する。
/worktree feature/api-optimization
このコマンドを実行すると、Cursor は自動的に次の処理を行う。
git worktree addコマンドで新しいワーキングツリーを作成- 指定したブランチ名(なければ新規作成)でチェックアウト
- そのエージェントセッションをその worktree に紐づける
具体的な並列開発の例
たとえば「フロントエンドのコンポーネント改修」「バックエンド API の追加」「E2E テストの作成」を同時並行で進めたい場合、次のように 3 つのエージェントに /worktree を使って分担させる。
エージェント 1(フロントエンド担当):
/worktree feature/ui-component-update
src/components/UserCard.tsx のデザインを刷新して。
Figma モック(添付)に合わせてスタイルを調整。
エージェント 2(バックエンド担当):
/worktree feature/api-user-endpoint
GET /api/users/:id にレスポンスキャッシュを追加して。
Redis を使うこと。TTL は 300 秒で。
エージェント 3(テスト担当):
/worktree feature/e2e-login-flow
Playwright で /login から /dashboard までの
E2E テストシナリオを作って。正常系 3 パターン以上。
3 つのエージェントが独立した worktree ブランチで動くため、main ブランチへの影響なし、ファイル競合なしで並列作業が実現する。
実務での使い方
PR レビュー待ち中に次のタスクを進める
よくあるシナリオは「PR を出したが、レビュー待ちで手が止まっている」というケース。これまでは main ブランチに戻って次のタスクを始めると、ブランチ管理が煩雑になりがちだった。
Agents Window + /worktree を使えば、こんなフローが組める。
feature/payment-gatewayの PR をレビュー待ちで出す- 新しいエージェントを起動し
/worktree feature/user-notificationを指示 - レビューコメントが届いたら、別タブの元エージェントに修正を指示
- 修正完了したら
feature/user-notificationのエージェントに戻る
複数の作業を文脈切り替えのコストなしに行き来できる。
機能実装とテストの同時進行
「実装しながらテストも書く」を本当の意味で並列化できる。
- エージェント A:
feature/new-featureで実装 - エージェント B:
feature/new-feature-testsでテストを先行作成(テスト駆動開発的アプローチ)
両方の進捗を Agents Window で確認しながら、互いの出力(型定義、インターフェース)を参照して指示を更新していくのが実践的な使い方だ。
バグ修正と機能開発の並列
本番バグ対応と新機能開発を同時に進める場合にも効果的だ。
# ホットフィックス対応エージェント
/worktree hotfix/null-pointer-exception-user-service
UserService.findById() が null を返す場合の
null チェックが抜けている。修正して。
# 機能開発エージェント(継続中)
(既存のエージェントで feature/dashboard-v2 に取り組み中)
ステップ 4:Cursor 3.1 の Tiled Layout(タイル型レイアウト)
Cursor 3.1 では Agents Window にタイル型レイアウト(Tiled Layout)が追加された。複数のエージェントチャットと対応するエディタを画面内にタイル状に並べられるため、視認性がさらに上がっている。
Tiled Layout の有効化
- Agents Window 右上のレイアウトアイコンをクリック
- 「Tiled Layout」を選択
- エージェントとエディタのペインが格子状に配置される
エージェントの数に応じて 2×2、3×1 などのレイアウトに自動調整される。4 エージェント以上を同時管理する場合は特に便利だ。
注意点
エージェントの暴走を防ぐ
エージェントが大量のファイルを変更しても気づかない、というリスクがある。次の対策を取ろう。
- 作業範囲をチャットに明示する:「src/auth/ 以下のファイルのみ変更して」
- git diff を定期的に確認する:Agents Window のエージェントが変更したファイルはエディタで確認できる
- 小さいタスクに分割する:「全部まとめてリファクタリング」より「まず型定義だけ整理して」の方が制御しやすい
/worktree ブランチの清掃
作業が終わった worktree ブランチは放置しないようにする。
# worktree の一覧確認
git worktree list
# 不要な worktree を削除
git worktree remove path/to/worktree
# マージ済みブランチの削除
git branch -d feature/completed-task
Cursor の Agents Window 上でセッションを終了しても、git worktree 自体は自動削除されない。定期的に git worktree list で確認して整理しよう。
クラウドエージェント・SSH 環境での利用
Cursor 3.0 の Agents Window はローカル環境以外にも対応している。リモートサーバーへの SSH 接続や、クラウドリソースへのアクセスを組み合わせることで、本番近似環境でのテスト実行なども可能だ。ただし、SSH 接続先やクラウド環境によっては追加の設定が必要になる場合がある。公式 changelog(cursor.com/changelog/3-0)で最新の対応状況を確認してほしい。
プロンプト例
実際に使えるプロンプトのテンプレートを紹介する。
並列リファクタリングの開始:
/worktree feature/refactor-auth
以下の作業をお願いします:
- 対象: src/auth/ 以下のすべてのファイル
- TypeScript の型を明示的に書く(any は使わない)
- 使われていないインポートを削除
- コメントは日本語で統一
変更前後で動作が変わらないようにしてください。
テスト駆動でのAPI実装:
/worktree feature/user-profile-api
まず tests/api/user-profile.test.ts にテストを書いてください:
- GET /api/user/:id の正常系・異常系
- 認証なしアクセス時の 401 レスポンス
- 存在しないユーザーIDの 404 レスポンス
テストを書き終えたら教えてください。実装は次のメッセージで指示します。
バグ調査と修正:
/worktree hotfix/cart-total-calculation
以下のバグを調査・修正してください:
- 症状: カートの合計金額が小数点以下で計算ズレが起きる
- 再現: 単価 1/3 の商品を 3 個追加すると合計が正確にならない
- 対象ファイル: src/cart/Calculator.ts
修正方針を提案してから実装してください。
よくある質問(FAQ)
よくある質問
Cursor Agents Window に関する疑問をまとめました
Agents Window は無料プランでも使えますか?
Cursor の料金プランによって利用できるエージェントの数や実行時間が異なります。詳細は Cursor 公式サイト(cursor.com)の料金ページを確認してください。2026年5月時点では、Pro プラン以上での利用が推奨されています。
エージェントが途中で止まった場合はどうすればよいですか?
エージェントチャット内の「Continue」ボタンをクリックするか、「続けてください」と追加メッセージを送ることで再開できます。/worktree で起動したエージェントの場合、worktree ブランチは残っているので git log で進捗を確認してから再指示できます。
/worktree コマンドは既存のブランチにも使えますか?
はい。/worktree feature/existing-branch と指定すると、既存ブランチの worktree を作成してエージェントを紐づけられます。新規ブランチが存在しない場合は自動的に作成されます。
Agents Window の各エージェントは同じコンテキストを共有しますか?
いいえ、各エージェントは独立したチャットコンテキストを持ちます。エージェント間で情報を共有したい場合は、それぞれのチャットに明示的に伝えるか、共有ファイルを通じてやりとりする必要があります。
Cursor 3.0 以前のバージョンとの後方互換性はありますか?
Agents Window は Cursor 3.0 以降の機能です。3.0 未満のバージョンには存在しません。既存のプロジェクト設定(.cursorrules など)は 3.0 以降でも引き続き利用できます。
複数のエージェントが同じファイルを編集しようとした場合、どうなりますか?
/worktree を使っていれば各エージェントが独立した worktree ブランチで動作するため、同じパスのファイルでも実体は別ディレクトリになります。/worktree なしで同一ディレクトリを複数エージェントが編集しようとした場合は、後から保存した変更が優先されるため競合が発生するリスクがあります。タスクごとに /worktree を使うことを強く推奨します。
まとめ
Cursor 3.0 の Agents Window は、エンジニアの開発スタイルを「1 タスク直列処理」から「複数タスク並列管理」へ変えるインターフェースだ。
改めて、この記事の要点をまとめると:
- Agents Window の開き方:
Cmd+Shift+P→Agents Windowで即アクセス - 並列エージェント起動:「+ New Agent」を繰り返すだけ。既存エージェントが動いている間も次のタスクを指示できる
- /worktree コマンド:git worktree 隔離で競合ゼロの並列開発を実現
- Tiled Layout(3.1+):複数エージェントとエディタを画面内に格子状配置してさらに視認性アップ
単純なタスクを 1 つこなすだけなら従来の Cursor チャットで十分だが、「PR レビュー待ち中に次の機能を進める」「実装とテストを同時に走らせる」「バグ修正と機能開発を並走させる」といった実務シーンで Agents Window の真価が発揮される。
まずは小さいタスク(リファクタリングとテスト追加)を 2 エージェントに分担させる実験から始めてみてほしい。
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